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みなさん さようなら

1987年(S62) 月刊 「NewTRUCK」 12月号

日米韓でとらえた韓国の現状と未来像

『地図にない韓国 ―日米韓から見たコリアンパワーの源泉―
大前正臣著 徳間書房 ¥980

 一ヶ月足らずのうちに日本と一番関係の深い国、アメリカと韓国を訪ねた。そのトライアングルの観点から韓国をとらえたのが本書である。
 日本と韓国は有史以前から深い交流があったが、アメリカと韓国とは第2次大戦後の僅か40年そこそこの関係に過ぎない。
 しかし現在の韓国は、日本よりもアメリカと経済的にも文化的にも、そして心情的にも深いきずなによって結ばれているように見える。

 日本人に対してはきびしい入国制限をしているアメリカも、韓国に対しては好意的で、既に日系人を超える百万人ものコリアンが移住、ロサンゼルスだけで30万人がいて、コリアンタウンはリトルトウキョウを圧倒する勢いである。
 韓国製自動車や電子製品、雑貨の米国流入は凄まじく、留学生もアメリカの方が日本よりはるかに多い。ハイテク分野で米韓の結びつきは強い。

 北の侵入に対して実力で追放したのはアメリカであり、軍事的経済的にアメリカは韓国を援助した。侵略者としてイメージされることが大きい日本とは大きな相違である。
 しかも、米韓両国には対日貿易の巨額赤字という共通項がある。重要部品の内製が不十分な韓国は対米輸出を増やせば対日輸入が増えるジレンマがある。

 もし、米韓が協力して日本を叩いたらどうなる。韓国にはまだまだ安価で質の高い労働力があり、日本以上ともいえる教育熱心さによって育成されるヤングパワーがある。
 オリンピック成功によって韓国が自信をつけて、さらに高度成長を続け、アメリカとの間に協調関係が維持されるとしたら、韓国は日本にとって大きな脅威となるだろう。

 我々はともすれば韓国のみに目を奪われるが、米韓日という、より広い視野から韓国を考察する必要がある。地図にない韓国とは、米国内のコリアンパワーを指すようだが、今未来の韓国理解の一助としておすすめしたい1冊である。


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プロフィール

増田周作

Author:増田周作
(株)日新出版 創業者
月刊「特装車」「特装車とトレーラ」「NewTRUCK」編集発行人
「東京トラックショー」創立・主催者

大正15年8月30日生まれ 土佐出身
(H23年すい臓ガン、翌年肝臓ガン発病)
平成24年11月21日 肝不全で死去
       享年87歳

旧制中学1年1学期、上級生とのケンカで先方2名と共に退学処分。
15歳で安岡正篤先生門下に入る。
大阪商科大学(現・大阪市立大学経済学部)卒業。土木従事、新聞社を脱サラ後、広告代理店経営。昭和44年43歳、東京でトラックの月刊誌発行を始める。
湯島聖堂「斯文会」名誉会員・後援会常任委員を務める。
「呉越会」「東京トラックショー」「増田周作のおはようコラム」「日新論語会」など、常に社会の木鐸(ぼくたく)でありたいと願った“いごっそう”であった。
伊与田覚学監は10歳年上の叔父。

【 これがほんとうのあとがき。43年のもの書きの、最後の後書になった。われながらよく書き続けたものだと思う。
「生涯現役」。もの書きとして生涯現役を貫いた喜び、これに勝るものはない。読者の皆様に最後の「わだち」をお送りしてお別れをしたい。今、私は至福の感をもって最後のわだちを書いている。
 みなさん さようなら  11月13日 】
絶筆 H24年/12月号
「わだち=月刊 NewTRUCK 編集後記」

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